勉強時間の「目安の数字」より、受験日から逆算した週の時間で決めてください

先に結論です。簿記1級の勉強時間は、講座や書籍によって示す数字が大きく違います。2級の数倍の時間がかかるという点では一致していますが、具体的な時間数は、その人の2級の仕上がりと、1週間に使える時間で変わります。
だから本記事では「何時間やれば受かる」とは書きません。代わりに、受験日から逆算して週の時間を決める方法を説明します。
1級の試験は年2回。ここから逆算します

簿記1級の統一試験は、6月と11月の年2回です(3級・2級にあるネット試験は、1級にはありません)。つまり、スケジュールは「次の6月か、次の11月か」のどちらかに向けて組みます。
- 今から半年後の試験を狙う → 平日も毎日時間を取る前提
- 今から1年後の試験を狙う → 平日は短く、週末にまとめる形でも進む
受験日と申込期間は、日本商工会議所の公式サイトで確認してください。
半年で間に合う人と、1年かける人の分かれ目

| 条件 | 半年で狙える | 1年かけるほうが現実的 |
|---|---|---|
| 2級の仕上がり | 合格から日が浅く、工業簿記も解ける | 合格から時間が経っている。工業簿記が苦手だった |
| 平日に取れる時間 | 毎日1時間以上を固定できる | 平日はほぼ取れない。週末中心 |
| 仕事との関係 | 経理・会計の実務で日常的に触れている | 実務で触れていない |
| 過去の独学経験 | 2級を独学で取った | 2級は講座で取った |
4つのうち3つ以上が左なら半年、そうでなければ1年で組むのが安全です。無理に半年で組んで途中で止まるのが、いちばん時間を失います。
スケジュールの組み方:4科目を3段で回す

1級は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目です。合格には合計で7割が必要で、どの科目も4割を下回ると不合格になります(足切り)。だから「得意科目で稼ぐ」作戦は使えません。4科目を均等に仕上げる前提で組みます。
第1段:テキストを1科目ずつ一周する(全体の半分の期間)
- 1科目ずつ、テキストと対応する問題集を進める
- 順番は、2級の工業簿記が得意なら工業簿記・原価計算から。商業簿記が得意なら商業簿記・会計学から
- この段階では「理解できないところに印を付けて進む」。立ち止まらない
第2段:4科目を並行して問題集を回す(全体の3割)
- 1日に2科目ずつ、交互に回す。1科目に偏ると他が抜けます
- 第1段で印を付けたところを、ここで潰す
第3段:過去問を本番と同じ時間で解く(全体の2割)
- 直近数回分を、時間を計って解く
- 足切りになっている科目があれば、そこだけ第2段に戻す
週の時間の決め方

- 受験日までの週数を数える
- 第1段に半分、第2段に3割、第3段に2割の週数を割り当てる
- 第1段の週数で、4科目のテキストの総ページ数を割る → 1週間に進めるページ数が出る
- そのページ数を進めるのに何時間かかるかを、最初の1週間で実測する
4で出た時間が、今の生活で確保できないなら、受験日を1回ずらしてください。目安の時間数を当てはめるのではなく、自分のページあたりの速さで決めるのが、独学で失敗しない唯一の方法です。
テキストの揃え方は簿記1級の独学テキストの選び方にまとめています。
途中で止まったときの判断

第1段の途中で、予定の半分も進んでいなければ、スケジュールが間違っています。受験日をずらすか、講座に切り替えるかを決めてください。判断の材料は簿記1級の独学は現実的か?と簿記1級の独学に挫折したら専門学校?にあります。
2級との時間の差を知りたい方は、簿記2級の独学に必要な勉強時間も合わせてどうぞ。
よくある質問
Q. 1級の勉強時間は何時間と考えればいいですか
A. 講座や書籍で示す数字は幅があり、一律には言えません。2級の数倍かかるという点は共通しています。本記事では、受験日から逆算してページあたりの速さで決める方法をすすめています。
Q. 1級にネット試験はありますか
A. ありません。2級・3級にはネット試験がありますが、1級は年2回(6月・11月)の統一試験のみです。日本商工会議所の公式サイトで日程を確認してください。
Q. 4科目のうち、どれから始めるべきですか
A. 2級の仕上がりで決めます。工業簿記が得意なら工業簿記・原価計算から、商業簿記が得意なら商業簿記・会計学からです。苦手な科目を後回しにし続けると足切りの危険があるので、第2段で必ず並行させてください。
Q. 半年で受からなかったら、次の回まで何をしますか
A. 足切りになった科目を第2段に戻して回し直します。合格点に届いていた科目は過去問を続けて維持します。全体をやり直す必要はありません。
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※本記事は2026年10月時点の情報です。試験の制度・出題範囲は変わることがあります。必ず日本商工会議所の公式サイトでご確認ください。

