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専門学校を調べる前に、決めることが1つあります
簿記1級の独学が続かなくなって、「専門学校に行くしかないのか」と調べている。
その検索の前に、確かめてほしいことがあります。
## あなたは本当に1級が必要ですか。
これは「あきらめましょう」という話ではありません。 逆です。必要なら迷わず払うべきで、必要でないなら払う理由がない。それを先に分けようという話です。
専門学校の費用は安くありません。払う前に、その先で何が返ってくるのかを決めておかないと、通い始めてから迷うことになります。
まず、数字を見てください
日本商工会議所が公表している、1級(統一試験)の合格率です。
| 回 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第173回(2026年6月) | 9,806名 | 2,076名 | 21.2% |
| 第171回(2025年11月) | 10,524名 | 1,604名 | 15.2% |
| 第170回(2025年6月) | 9,610名 | 1,343名 | 14.0% |
| 第168回(2024年11月) | 10,420名 | 1,572名 | 15.1% |
| 第167回(2024年6月) | 9,457名 | 992名 | 10.5% |
| 第165回(2023年11月) | 10,251名 | 1,722名 | 16.8% |
| 第164回(2023年6月) | 9,295名 | 1,164名 | 12.5% |
| 第162回(2022年11月) | 9,828名 | 1,027名 | 10.4% |
| 第161回(2022年6月) | 8,918名 | 902名 | 10.1% |
直近9回の平均は 14.0%。低い回で 10.1%、高い回で 21.2% です。
ここが、2級までといちばん違うところ
1級にネット試験はありません。統一試験だけで、年2回(6月・11月)です。
## つまり、1回落ちると次は半年後です。
2級はネット試験が随時あるので、落ちてもすぐ受け直せます。1級はそれができません。
「独学で半年やって、落ちて、また半年独学」 — これが、挫折が長引く仕組みです。あなたの根気の問題ではありません。
挫折したのは、あなたのせいではありません
理由は試験の構造のほうにあります。
- 範囲が商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目に広がる
- 論点どうしが絡むので、1つ分からないと先に進めない
- 市販の教材が2級までより少ない
- 年2回しかないので、モチベーションを半年持たせる必要がある
このあたりは、こちらに詳しく書いています。
→ 簿記1級の独学は現実的か?難易度と挫折しやすい理由を正直に解説
分かれ道は3つあります
「独学か、専門学校か」の2択ではありません。実際には3つです。
| 選択肢 | 向いている人 | |
|---|---|---|
| A | 独学を続ける | 教材が合っていなかっただけの人。時間は取れている人 |
| B | 通信講座に切り替える | 時間が細切れな人。通学の時間が取れない人 |
| C | 専門学校(通学)に行く | 一人だと続かない人。期限を外から決めてほしい人 |
多くの人が、AからいきなりCを考えます。 でもBはAとCの間にあって、費用も時間の拘束も中くらいです。ここを飛ばさないでください。
Cを選ぶ人の、いちばん正直な理由
「教え方がうまいから」ではありません。
## 決まった曜日・決まった時間に、行かなければならない場所ができるからです。
独学で挫折する原因の多くは、理解力ではなく続かないことです。その一点にお金を払う、という判断であれば、通学は理にかなっています。
逆に、時間さえあれば自分で進められる人がCを選ぶと、高い買い物になります。
決め方:先に「何が返ってくるか」を書き出してください
私は八百屋を14年やっています。設備でも人でも、お金を出すときに必ずやることがあります。
## いくら出すか、を決める前に、何が返ってくるかを1行で書く。
書けないものには出しません。資格も同じです。
1級を取ると、具体的に何が変わりますか。
| 目的 | 1級は要るか |
|---|---|
| 税理士試験を受けたい | 要ります(1級は受験資格の1つ) |
| 会計事務所・税理士事務所に入りたい | 強い材料になります |
| 経理の専門職として上を目指す | 材料になります |
| 就職・転職で評価されたい | 2級で足りることが多い |
| 経理実務で困らない力がほしい | 2級+実務経験のほうが近い |
下の2つに当てはまるなら、専門学校の費用と半年の時間を、別のことに使えます。
2級がどこまで評価されるかは、こちらに書きました。
→ 簿記2級を独学で取るのはすごい?就職や転職での評価を正直に解説
⚠️ 受験資格の要件は変わることがあります。 税理士試験を目的にする場合は、必ず国税庁の公式サイトで最新の要件をご確認ください。
正直に書いておきます
私は日商簿記1級を持っていません。 持っているのは全商簿記2級です。1級に挑戦して挫折した体験談を、私は書けません。
書けるのは2つだけです。
1. 公表されている数字(この記事の合格率は、日本商工会議所の受験者データから取りました)
2. お金と時間を出すかどうかの、決め方
経営者として、社会福祉法人の計算書類を毎年扱っています。数字を見て投資を決める、という部分だけは、毎年やっていることです。
「私も1級で苦労しました」と書いたほうが、この記事は読まれるかもしれません。でも、それは嘘になります。
専門学校を選ぶなら、見るのはこの3つ
決めたうえで調べるなら、比較するのはここです。
① いつの試験に間に合う日程か
1級は6月と11月しかありません。 「次の試験まで何ヶ月あるか」で、通うコースが変わります。間に合わない日程に申し込むと、半年が空きます。
② 落ちたあとの扱い
1回で受かる前提で選ばないでください。 合格率14%です。
- 次の期も受講できるか
- その場合、追加の費用はいくらか
ここを申し込む前に確認してください。 半年後に効いてきます。
③ 4科目のどこを厚くしているか
1級は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目です。自分がどこで止まったかを思い出して、そこに時間を割いているコースを選んでください。
⚠️ 費用・日程・サポート内容は学校によって違い、変更されることもあります。必ず各校の公式サイトで直接ご確認ください。
Aを選ぶ場合:教材を変えるという手もあります
「時間は取れていた。でも教材が頭に入らなかった」 — これなら、学校ではなく本を変えるだけで進むことがあります。
1級は範囲が広く、テキストも複数冊になります。シリーズごとに説明の順番や厚みが違うので、合わなかったものを別の系統に替えると、詰まっていた所が動くことがあります。
構成を見比べるなら、→ 楽天市場で簿記1級のテキストを見る
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ただし、これが効くのは「時間は取れていた人」だけです。 時間そのものが取れていなかったなら、本を替えても同じ所で止まります。
よくある質問
独学に挫折したのは、向いていないということですか
違います。 1級は直近9回の平均合格率が14.0%で、受けた10人のうち8〜9人が落ちる試験です。そして年2回しかありません。 続かなかったことと、能力は別です。
通信講座と専門学校は、どちらがいいですか
続かなかった理由によります。 「時間が取れなかった」なら通信、「時間はあったが一人だと進まなかった」なら通学のほうが噛み合います。理由を先に言葉にしてください。
2級から時間が空いています。1級から始めていいですか
2級の内容が抜けていると、1級は必ず止まります。 1級は2級の上に積む試験です。心当たりがあるなら、2級の復習から始めたほうが結果的に早くなります。
→ 簿記2級は独学で合格できる?工業簿記の壁と突破手順を解説
費用はどれくらいですか
学校・コース・受講形態で大きく違います。 この記事では金額を書きません。変わることがある数字を書き写すと、読んだ時点で古くなるからです。必ず各校の公式サイトでご確認ください。
独学が厳しいかどうかの、他の判断基準はありますか
2級で同じ迷いに当たる人が多いので、こちらも参考になります。
→ 簿記2級の独学が厳しいと感じたら?見切りの判断基準を正直に解説
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※本記事の合格率は、日本商工会議所「簿記 受験者データ」を2026年9月23日に参照しました。試験制度・日程・受験資格の要件は変更されることがあります。受験前に必ず日本商工会議所の公式サイトでご確認ください。

