ノートは「まとめ」には使いません。「間違い」と「仕訳」にだけ使います

先に結論です。簿記の独学で作る価値があるノートは2種類だけです。
- 間違いノート:問題を解いて間違えた論点を、原因と一緒に書く
- 仕訳ノート:覚えにくい仕訳を、取引の流れと一緒に書く
逆に、テキストの内容をきれいに書き写す「まとめノート」は作らないでください。簿記は手を動かして問題を解く科目で、書き写す時間は解く時間を減らすだけです。学校の勉強の癖でまとめノートから始めて、そこで止まる人が多い分野です。
作らないほうが早い3つのこと

① テキストの要約
テキストはすでに要約されています。要約の要約を作っても、理解は進みません。読んで、すぐ問題を解いてください。
② 勘定科目の一覧表
自分で表を作るより、テキストの巻末や問題集の付録にある一覧を使ってください。表を作る作業が目的になります。
③ きれいに整えること
色ペン・定規・付箋は要りません。自分が読めればいい。見返す回数が多いのは「間違えた理由」だけです。
間違いノートの作り方

1ページを3つに分けます。
| 欄 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 問題 | 問題集名・ページ・問番号だけ。問題文は写さない | 問題集A p.52 問3 |
| 間違えた理由 | 「知らなかった」「忘れた」「計算ミス」「読み落とし」のどれか | 減価償却の月割りを年割りで計算した(読み落とし) |
| 次にやること | テキストの該当ページを読み直す/同じ型の問題を3問解く など | テキストp.120を読み直し、問4・5も解く |
ポイントは、問題文を写さないことです。写すと時間がかかり、ノートが続きません。問題集のページを書いておけば戻れます。
「間違えた理由」を4つに分類するのは、対処が違うからです。「知らなかった」はテキストに戻る、「忘れた」は仕訳ノートへ、「計算ミス」「読み落とし」は解く量で直します。
仕訳ノートの作り方

覚えにくい仕訳だけを書きます。全部書く必要はありません。
- 左に取引の説明を1行(「商品を掛けで仕入れ、引取運賃は現金で払った」)
- 右に仕訳
- その下に、なぜその科目になるのかを1行
3級で詰まりやすいのは、簿記3級の独学の勉強方法に書いた「借方・貸方の感覚」の部分です。仕訳ノートはそこを埋めるためのものなので、感覚がつかめた仕訳は書かなくていいです。
ノートを見返すタイミング

- 問題集を1章解き終わったとき、その章の間違いノートを見る
- テキストを一周したとき、間違いノート全体を見て、「次にやること」が終わっているか確認する
- 試験の1週間前、仕訳ノートだけを通して読む
試験直前に間違いノートを全部見直す必要はありません。「次にやること」が済んでいる項目は、もう終わっています。
紙かアプリか

どちらでも構いませんが、仕訳は手で書くほうが身につきます。試験でも手で書くからです。間違いノートは、スマホのメモでも足ります。アプリやサイトを使う場合の注意は簿記の独学に使えるサイトとアプリにまとめています。
級が上がるとノートの役割が変わる
2級の工業簿記では、仕訳ノートより「図(ボックス図・勘定連絡図)を書く練習」のほうが効きます。1級の原価計算では、下書き用紙の使い方そのものが点数に関わります。級ごとの進め方は簿記2級の独学の勉強方法と簿記1級の独学テキストの選び方を参考にしてください。
よくある質問
Q. ノートを作らずに受かる人はいますか
A. います。問題集に直接書き込み、間違えた問題に印を付けて解き直す方法でも足ります。ノートは「解き直しの管理」ができればよく、形は問いません。
Q. 間違いノートはどのくらいの量になりますか
A. 人によりますが、3級なら数ページ、2級でも数十ページで収まることが多いです。問題文を写さないことで、量を抑えられます。
Q. 仕訳ノートは全部の仕訳を書くべきですか
A. いいえ。覚えにくい仕訳だけです。書いているうちに感覚がつかめた仕訳は、以後書かなくて構いません。
Q. ノートを見直しても同じ間違いを繰り返します
A. 「間違えた理由」の欄が「忘れた」ばかりなら、理解ではなく解く量が足りていません。同じ型の問題を続けて3問解く「次にやること」を入れてください。
—
※本記事は2026年10月時点の情報です。

